[Fトーク#13]
渡邉和史氏がスポーツ界で「正しいお金の使い方」を伝えたいワケ
~スポンサーが社会課題を解決する共感の時代へ突入~

2002年サッカー日韓W杯に始まり、2021年東京五輪までの20年は、あまりにも激動の連続だった。【Fトーク#13】のスペシャルゲストは、これまで五輪やサッカーW杯を中心に、スポーツマーケティングの最前線で大奮闘されてきた渡邉和史さん。渡邉さんは、昨年まで、日本コカ・コーラでオリンピック&エクスペリエンシャルマーケティング担当統括部長を務め、東京五輪で聖火リレーを大成功に導かれました。今回、渡邉さんは株式会社F(エフ)の白川創一と語り合い、感動や笑いあり、炎上もありの東京五輪の舞台裏を明かしてくれました。スポーツ業界のアレにも深く斬り込んだ2人の対談を、ぜひお楽しみください。

#13トークゲスト:プロフィール


渡邉 和史(ワタナベ カズフミ)

スポーツ・マーケティング・スペシャリスト
1974年生まれ、カリフォルニア州サンディエゴ出身。
高校卒業までアメリカと日本を行き来し、上智大学へ入学。卒業後、博報堂に入社。南米のサッカーの大会のマーケティングを代理店の立場として従事。2002年のFIFAワールドカップはFIFAマーケティングに在籍し、連盟側としてスポーツコンテンツを体験する。2011年から2021年12月までは日本コカ・コーラにてスポンサー側としてFIFA・オリンピック・選手契約等の部署を統括した。全立場からスポーツマーケティングを把握している存在であり、現在は新たなステップに向けて充電中。

渡邉和史さんの今

白川:カズ(渡邉和史さん)、お久しぶりです。今は何をやっているの?

渡邉:昨年の12月31日にコカコーラの東京五輪チームが解散し、僕は退社しました。

白川:何年間いたのかな?

渡邉:11年です。コカ・コーラで一通りスポーツマーケティングを経験し、自国開催の五輪で全てやり切ったので、会社を出て次の海に行こうと思っています。

白川:良いタイミングだったね。

渡邉:だと思います。今は色々な方々にお話を伺っているのですが、最近、嫁さんの視線が怖くなってきて、、、。

白川:あははは。

渡邉:ゴルフばかりやっているので、そろそろ働きに出なければならないかと(笑)。

白川:うははは。羨ましいなー。まあ、夏頃までに落ち着けば良いじゃん。

渡邉:そうですね。五輪組織委員会にいた人たちは新たな仕事を探しているのですが、ぶっちゃけ、これというものがないんですよ。

スポーツだけに特化するとですね。やっぱり五輪が分かりやすいコンテンツなので、皆次もそれ的なものを狙いにいきますが、結局、行き先がBリーグのチームであったり。他には、リーグやクラブ、スタジアムのインフラ作りとなりますね。

僕はそちら側ではなく、スポンサー企業も需要がある訳でもないですからね。現在、スポンサーはスポーツではなくサステナビリティの方にお金を使うようになっています。

東京五輪時に81企業がスポンサーになり、どの企業も五輪推進室みたいな部署を立ち上げていましたが、五輪後に部署が解体されると、新しくできたサステナビリティ推進室にお金も人も流れていくようになりました。今はSDGsに特化していて、スポーツにお金が落ちていない潮流を見る中で、「自分のキャリアプランニングをどう設計しようか?」と考えています。

五輪4回W杯3回を経験

白川:なるほどね。カズとの出会いは遡ること2002年頃だったよね。

渡邉:その時、僕はISLにいてアディダス担当でしたからね。

白川:懐かしいなあ。その前は、どこにいたの?

渡邉:1997年から3年間、博報堂でトヨタを担当営業していました。トヨタが南米サッカーのリベルタドーレス杯の冠スポンサーになり、そこでスポーツマーケティングと出会いました。サッカーを通じてトヨタのブランドイメージが上がるのを実感した矢先に、「W杯をやらない?」と声をかけてくれたISLに入りました。

2002年のサッカー日韓W杯後に、博報堂に戻って海外サッカーを担当し、再びアディダスと関わり、宮本恒靖をザルツブルグへ移籍させましたね。Jリーグに関わり、コカ・コーラにスポンサーのパッケージを売ると、コカ・コーラに「君は面白いから一緒にやろう」と誘われて、2011年にコカ・コーラに入りました。

白川:2011年からということは?


渡邉:ロンドン五輪、ブラジルW杯、リオデジャネイロ五輪、ロシアW杯、平昌五輪、東京五輪を担当しました。

白川:ありとあらゆるスポーツの祭典を経験したね。

渡邉:選手については、北島康介、本田圭佑、澤穂希、石川遼たちと契約したりグラスルーツのサッカーにも関われたし、やれることをやったと思います。

白川:そうだね。10年前の日本って、スポーツがグーンと勢いあったけど、今はすっかり落ち着いているよね。Jリーグやサッカー日本代表は少し魅力が落ちてきてるし。


渡邉:2019年に日本でラグビーW杯があり、「さあいよいよ東京五輪」となった時に、本来であればそこで最高潮だったんですが、コロナ禍の五輪だったので若干盛り下がりましたよね。それで2023年のサッカー女子W杯を日本に招致できたら良かったんですが、失敗したので萎んでいますよね。

でも唯一望みをかけているのが、2030年札幌冬季五輪となります。これが決まれば、またガガガッとお金が動いてくると思いますね。現在、五分五分と言われていますが。

白川:え、札幌はどこと争っているの?

渡邉:バンクーバー(カナダ)、ソルトレイクシティ(アメリカ)、バルセロナ&ピレネー(スペイン)、リヴィヴ(ウクライナ)ですね。

白川:今年が北京でしょ。その次がどこなの?

渡邉:2026年冬季がミラノですね。2024年夏季がパリで、2028年夏季がロスアンゼルスですよね。2030年もソルトレイクシティに来るかと言うと、2大会連続でアメリカは厳しいと思います。バンクーバーもアメリカ大陸で、また欧州で続く?というのもありますよね。

白川:でも、平昌、北京とアジアで続くからね。


渡邉:平昌、東京、北京と続いたので、「アジアはお腹が一杯だよ」とならなければ良いですけどね。

東京五輪でマラソン会場が札幌となり、すぐ手配できたことがIOCで高い評価となっていますからね。バッハさんとしては、橋本五輪大臣と札幌でやる気になっているみたいですが、他のIOCの委員の評価がどうでしょうかね。

白川:招致決定の票集めは、政治の世界だもんね。

日本が抱える課題とは

白川:しかし、カズのキャリアは凄いね。2002年日韓W杯が日本のスポーツ界にもたらした影響は絶大だったでしょ?

渡邉:そうでしたね。

白川:あの時のワサワサ感って、今考えるとゾッとするよね。ワークライフバランスなんて誰も言ってない時代だったからね。当時のアディダスの定例ミーティングが、なぜか土曜日にあったりとかね。22時頃に帰ろうとすると、「お前どこに行くんだ?」みたいな雰囲気だったからね。

渡邉:「とにかく働けー!」と。しかもダイバーシティーという概念もなかったですからね。「この仕事だと女ができないよ。」みたいな感じでした(笑)。

白川:あははは。

渡邉:ただISLは女性が多かったんですよね。スイス本社は、世界中の人々が集まるD&I(Diversity and Inclusion)の先駆者でした。

白川:アディダスも「SDGsだ!」とか言って騒ぎ出して、株主にコミットしていたからね。「女性の管理職○%」「生産効率上こうやって無駄を省きます」などと株主に対して達成率を公言して。それが10年以上前の話だから、日本は凄く遅れているよね。

渡邉:今さらですもんね。

白川:企業の免罪符のように「SDGsは何たらかんたら」とやっているけど、本質が何のこっちゃだからね。

渡邉:今回のコロナのまん延防止重点等措置や緊急事態宣言と同じですよ。出さなければならいから、とりあえず出すみたいな。本質を理解しないまま出しているので、企業も含めて非常に日本の悪い例となっていますよね。

白川:ダイバーシティーと言っても、日本人は感じにくいじゃない。

渡邉:島国ですからね。

白川:あまり他国の文化を受け入れない、という流れが脈々と続いているし。

渡邉:1番程遠いですよね。そういう面で言うと、去年の五輪の主なテーマのD&Iが、どれだけ社会に影響を与えたのかを知りたいですよね。企業の意識が変わったのかも含めて。

白川:でもなあ、何も変わっていない気がするよね。

渡邉:もったいないですよね。結局、東京五輪のスポンサーは、どこも寄付的なスポンサードをしていたんですよね。「ここでやっておかないと社長が怒るから」「社長を聖火ランナーに祭り上げたい」「自国開催だからスポンサーをやる」と、凄く浅はかな気持ちで大金を払っていたと思います。

白川:なるほどね。

渡邉:なぜなら、きちんとスポンサードをできた企業が、数えられる程しかいなかったからなんですよね。上手くレガシーを残し、街づくりの発展に貢献している企業は、目に見えるところだけですからね。

具体的には、トヨタだけだと思いますね。五輪があったからこそ、ジャパンタクシーは社会で有形資産として残っている。障害者や色々な人々を受け入れるために、「タクシーを変えていかなければならない」と、2018年に東京を筆頭にデビューしました。タクシー業界の基準を塗り替えましたからね。

このような例は、我々にとってもプラスじゃないですか。僕自身も、タクシーを乗る時にユニバーサルタクシーを探しちゃいますからね。


白川:本当にそうだよね。数年前は珍しかったけど。

渡邉:今ではスタンダードになっていますからね。もし2030年に札幌で冬季五輪が行われることになれば、某広告代理店が「金だ!金だ!」と同じカテゴリーでも数社のスポンサーを獲得してくると思います。ですが、僕は「本当に正しいお金の使い方をしよう」と、提言できる立ち位置にいたいですね。

白川:まあコロナがあったし、企業の立場からすると難しい局面が沢山あったと思うよね。五輪のスポンサーだけを見ると、まだ商業主義で金があってナンボみたいなところがあるじゃない。でも、五輪の理念やテーマを考えると、何を達成できたのかを見ている人間が、日本に少ないことが問題だと思うよね。

渡邉:スポンサーは投資をしているので当然リターンを得なければならないですが、プラスアルファで社会課題を上手く解決していく時代に変えていかないと、誰も共感しないと思います。

功罪と炎上

白川:そういう意味で言うと、コロナをきっかけにスポンサーやスポーツのあり方、社会的な意義がかなり変わってきたよね。

渡邉:そうですよね。

白川:単なる商業的なイベントと言うよりも、何のためのスポーツの祭典で、地域に何をもたらすのか、ということだよね

渡邉:某大手の代理店などの功罪が大きいですよね。結局、スポンサーに売ってナンボみたいなところがあり、白川さんが言うようにパーパスを無視した金集めになっています。五輪組織委員会が東京五輪のパーパスをきちんと発信するべきですが、そのパーパスのために「豊かな日本で五輪を作っていこう」という大きなピクチャーを描けていなかったんですよね。だからスポンサーは叩かれましたよね。

僕なんか、東京五輪で聖火リレーを担当した時にビックリするくらいに叩かれて、2回もバズりましたからね。1回目は、某新聞の記者に、僕がパトカーに乗る上司の写真を撮っている姿をスクープされました。「大手スポンサー公私混同!」とYahoo!ニュースのトップに出ちゃったんですよね。「コイツは渡邉何ちゃらで、どうのこうの」と、どうでもいい内容を掲載して。その1週間後に、また違う週刊誌の記者がうちに来ましたからね。


白川:それは災難だったね。。。


渡邉:聖火ランナーの送迎バスにたまたま上司が乗っていたのを、「あれだけコロナの感染対策をしていたのに、スポンサーが土足でバスに乗り込む」という内容を掲載したんですよ。

「五輪がスポンサーのためのお金になっていて、公私混同して誰のためにもなっていない。コロナの菌がばらまかれるだけだ!」という内容で、7月からずっと書かれていたんですよ。そうではなくて、「スポンサーが国作りのために、こういうことをしているんだよ!」というポジティブな発信してほしかったですよね。

白川:そうだし、声を大にして言ったほうが良いよ。本当におかしいからね。


渡邉:マスコミが世の中の風潮を作っていましたからね。コロナで感染者が1万人出たとか、いちいち不安を煽る必要なんかなくて、「重症者がこういう状態だから、こういう事に気をつけよう」と、どうすれば感染しないのかを伝えれば良いのに。日本のマスコミがとにかく煽りますからね。「皆聖火リレーにアンチだから、この人まで辞退をしました!」という内容だったじゃないですか。Yahoo!ニュースが火油をドボドボかけてトップ記事に出すことで、コメントで荒れてネガティブの連発でしたから。

白川:マスコミの功罪が絶大で、レベルが低過ぎだよね。コロナに関しても連日アホみたいな報道しかしてないからね。世界では遥かにとんでもない問題が起きているのにさ。東京五輪に関しては、日本が世界に発信する何十年に一度の絶好の機会なのに、自国の小さな話にフォーカスをして連日連夜馬鹿みたいな報道ばかりして。タレントも、事務所の都合や世間体もあるだろうけど、コイツら小さな奴らにしか見えなかったよね。何なのかね。

渡邉:もう大変でしたよ。

白川:五輪をやると決めたのであれば、皆で「どうやって盛り上げるのか?」とポジティブにやるべきだったし、残念だったよね。

渡邉:行政も後ろ向きで、「前例がない」という理由で。

白川:そりゃ前例なんてないでしょ。世界的に見てもないし。

渡邉:「どうやっていくのか?」という建設的な発想がないところも、行政に欠けていたので残念でした。

白川:欧米諸国は一度やると決めたら前に進む力があるけど、日本は旗を降る人が弱いからね。

渡邉:ムラ社会で誰も反感できないところがありますよね。

聖火リレーで進化した柔軟性

白川:柔道で金メダルを獲った大野将平選手は、世間がコロナで大騒ぎしていたので悲痛なコメントをしていたよね。選手も気を遣いながら試合で戦っていたというのもあるじゃない。

渡邉:かわいそうでしたよね。だからこそ、2030年では日本の国民に「スタジアムを満員にして観れる機会を提供したい」ですよね。東京で関係者全員が悔しい想いをしました。

僕は2016年から4年かけてコカ・コーラのオリンピック予算の約1/3を使って聖火リレーのプランニングをすると、1年延期になって。それで1年後の聖火リレー初日に「コロナ禍で何をやっているんだ!」と叩かれました。聖火リレーの主旨を理解していないマスコミが「どんちゃん騒ぎをして、単なるスポンサーのマスターベーションだ!」と記事にしていたけれど、沿道の人たちは手を振ってめちゃめちゃ喜んでくださったんですよね。

コロナでずっと暗いムードだったのに、聖火リレーで明るい気持ちになって、五輪でワクワクするポジティブな人たちが多かったように感じました。聖火リレーで日本全国を回っている中で、最初のハードルとなった場所が大阪でしたね。

白川 あー、はいはい。

渡邉:まん延防止等重点措置のため、公道で聖火リレーを行うことが中止となり、万博公園内を無観客でぐるぐる走りました。その後、東京の公道でも中止となって、地方都市でしか行えなかったことが残念でしたよね。オリンピックの本質となる「聖火リレーの尊さ」というのを、メッセージで40%しか伝えられなかったと思いますね。

白川:4年間もプラニングか。行政が公道で聖火リレーを禁止したり、演者の出演がキャンセルとなったり、どう対応したの?

渡邉:そこは先を読んでプランB、C、Dを用意して対応しました。結局、誰が1番楽しみにしているかと言うと、聖火ランナーでしたからね。ゴール地点で1万人近くが集まる大きなイベントで、コカ・コーラのセッションが15分間ありました。会場近くの高校生たちが吹奏楽とダンスでパフォーマンスするため、ずっと練習をしてきたのに、中止だと残念じゃないですか。中止になるのは1週間ほど前に分かるので、その時に別のプランを発動し、聖火ランナーで走れなくなった人たちにギフトをお渡しするとか、聖火を持つランナーの前で高校生たちが演奏やダンスをして、どうにかしのぎましたね。

白川:凄いね!想像を絶するね。

渡邉:先読みと柔軟性が鍵でしたね。

白川:アディダス時代にW杯や五輪でイベントが突然計画通りにいかなったことがあるけど、コロナだと何が起こるか分からなかったからね。その状況で色々なプランを用意できたのは凄いよ。

渡邉:お陰様で頭がめちゃめちゃ柔軟になりましたよね。

白川:昨年、国立競技場で東京五輪を観たかったけど、チケット代が返金されても嬉しくも何ともないからね。

渡邉:願いが叶うのであれば、五輪をもう1回やりたいですよね。五輪のスポンサーに「正しいお金の使い方を社会のためにこう還元すべきだ」と上手くリードして、本当の意味で「日本で五輪をやって良かった」としたいですよね。

白川:2020年に延期が決まった時は、「1年後にどうにかなっている」と思ったじゃない。それがまさか、今でも続いているからね。

渡邉:感染者数で言うと、皮肉な話、1年後の方が増えていますからね。

白川:2020年に開催しておけば良かったよね(笑)。あはははは。

渡邉:そうですよね。でも、あの時はコロナが日本に入って来て3ヶ月程でしたからね。ダイヤモンドプリンセス号で大騒ぎして。

白川:得体の知れないものだったから、恐怖感があったよね。

渡邉:ロックダウンという言葉を初めて聞いて、「すげー、日本もこうなるのか!」と、おどおどして。ただ、サーズみたいにすぐ終わる感じもありましたよね。

白川:もう、あれから2年だもんね。

増えるコンテンツ

渡邉:スポーツ界も大きく変わりましたよね。

白川:2002年に日韓W杯でサッカー界が盛り上がったけど、今は低迷していて、ラグビーW杯で盛り上がったので「ラグビー界がもっと商業的になれば良い!」と思うけどね。BリーグやVリーグができて、陸上で日本がメダル争いをし、卓球やスポーツクライミングなどの個人スポーツも台等してきて、昔よりもスポーツ界が発展してきたよね。ただ、東京五輪を経た日本のスポーツ界は、どうなるのかね?

渡邉:スポーツ界には、2つの問題があります。1つは、世の中でコンテンツが多過ぎるんですよね。人に時間が限られている中で、「1日の中で、何を見るのが良いのか?」となると、どうしてもプライオリティーを決める必要があります。本を読みたいのに、ネットフリックスもYouTubeも見たいし、でも今日サッカーの試合があるし、と整理が必要になりますよね。だから、スポーツに関しては「凄く浅いファン層しかいないのかな?」と、危惧してしまいます。

もう1つは、今回のコロナでファンエンゲージメントの機会が減ったことですよね。白川さんのように五輪の観戦チケットを持っているのに、無観客のため行けませんでした。生であの感動を味わうことができない。スポーツって、感動装置だったりするじゃないですか。

白川:ライヴが全てだからね。

渡邉:そのライヴから、この2年間遠ざかっていた。選手の迫力を「生で観ることができない」となると、画面を通さなければなりません。そうなると、感情が少し薄れてしまい、チケット収入が減るとチームや選手も四苦八苦して悪循環となってしまいますよね。

「では、どうすればいいのか?」「ファンエンゲージメントをバーチャルでできるのか?」ということを、スポーツ界が考えていかなければならないと思います。でも、「スポーツは生で観てナンボだ!」と思いますよね。Jリーグのように、スタジアムにお客さんをどんどん入れていくしかないですよね。

白川:コロナ感染が爆発していようが、プレミアリーグなんて観客動員をして凄いじゃない。

渡邉:観客がスタジアムに飛び込んでいますからね。

白川:そうそうそう(笑)。しかも客席で誰もマスクをしていないしね。

渡邉:最高ですよね。コンテンツが点在しているのに、お客さんがまた帰ってきていますから。「やっぱり、ライヴのスポーツが良い。」「このスポーツが好きだ。」「このチームが好きだ。」ということになってくると、プライオリティーの置き方がだいぶ変わってくると思いますね。

白川:やっぱりスタジアムでビリビリくる感じがあると、「また行きたい!」ってなるからね。録画やダイジェストで見ても、ちょっとね。

渡邉:味気ないですよね。

白川:それこそ、行政がもっとバックアップしないと、この状況を打破できないよね。

渡邉:日本人は皆マスクをつけてお行儀が良いので。

白川:それで歓声をしないで、凄いなと。

渡邉:日本人は行儀が良いんだから、もっとスタジアムに入れるべきだと思いますよね。

子供たちが、かわいそう

今、自分の子供(11歳)のサッカーの試合ですら、グラウンドで観れないですからね。東京都の公式戦に子供を車で連れて行って、車から降ろして、試合をスマホで見ていましたからね。

白川:うちも同じで、高校生の息子の試合をほとんど観れていないからね。今年卒業する子なんてかわいそうで、試合の写真がほとんどないからね。送別会とかも全部中止だしさ。

渡邉:かわいそうですよね。

白川:毎年インフルエンザで、中学生以下の子が数百人も亡くなっているのに、オミクロンなんかで亡くなっている子は1人もいないからね。こういうことがあまり報道されないので、大人がもっと舵をとらないとね。スポーツをやっている子たちがかわいそうだよ。

渡邉:子供たちが1番かわいそう。でも、うちの息子は感謝していましたよ。

白川:何で?

渡邉:「お父さんにガヤガヤ言われなくて良かった。」と。

白川:あははは。

渡邉:因みに息子は156cmとデカく、ポジションはセンターバックをやっています。

白川:大きいと、小学生の時はFWかセンターバックだよね。

渡邉:見掛け倒しですけど(笑)。

白川:うちも180cm位で、神奈川の高校でセンターバックをやっているよ。デカイし、筋トレをやっているけど、筋肉の付き方が違うからね。

渡邉:選手権予選が楽しみですね。

白川:しかし、今年の全国高校選手権で、関東第一高校が陽性者が出て不戦敗となってかわいそうだったよね。東京五輪では、陽性者が出ても直前のPCR検査で陰性であれば皆試合に出ていたのにね。あの辞退は酷過ぎるわ。

渡邉:不条理ですよね。その子のレピュテーションよりも、学校の方を取りましたよね。

学生スポーツのブランディング

白川:青森山田高校サッカー部は、超人的なチームで半端なかったよね。高校スポーツで、あそこまで肉体的に完成されたチームは、他にないでしょ。

渡邉:J3のチームに勝てるんじゃないですか。

白川:そうだよね。あそこまでのチームを作る黒田剛監督は半端ないよね。部員も沢山いるし。

渡邉:選手集めのビジネスですよね。今後、大学では選手集めが活発になるんじゃないですかね。少子化に伴って学生の奪い合いじゃないですか。そうすると、大学のブランディングが非常に大事になってくるので、各大学がどうやってマーケティングしていくのか注目していきたいですよね。マーケティングに伴うと当然ブランディングが付いてきますから。

アディダスは2000年の頭に早稲田と組んでいましたよね。あの時のように進化したものが、今後出てくると思います。ただ、1つのハードルが。

アディダスにとって、全ての部活がアディダスを身にまとうのが理想像だと思うのですが、なかなかそうもいかないじゃないですか。野球部には野球部の伝統や付き合いがありますからね。大隈重信が「アディダスしか着ない!」と言って、アディダスのものしか購入できない位になるとカッコイイと思いますよね。

白川:そこは色々なハードルがあるからね。でも、あの当時の戦略で、スポーツ界のほとんどの重鎮が早稲田出身であることが分かっていたから、彼らを抑えることができればスポーツ界を抑えられるというのがあったよね。

渡邉:へー、切り口が面白いですし、アディダスは先駆者でしたよね。今だと、駅伝でスポンサーを取れると嬉しいみたいですし、駅伝経由で全部活を取れたら良いかもしれないですね。

スポンサーシップの細分化

白川:スポンサーについては、ロゴを付けて看板を出すところから、対価が随分変わってきているじゃない。

渡邉:結局、視聴形態が変わり、コンテンツが増えているので分散していますし、ターゲットをすごく絞りにくいと思います。

サッカー日本代表の場合、スポンサーが苦労するのが、「誰が試合を見ているの?」となることですよね。

白川:スポンサーシップの新たな価値構造の問題だよね。

渡邉:最近、「スポンサーシップが細分化されている」と、強い印象を受けます。コアターゲットの的を絞るのが難しくなってくるので、的が広ければ広いほどメッセージが凄く抽象的になってしまいます。「誰に向けてどこに打てば効率的になるのか?」と、絞りにくくなっていますからね。

今後、そういうコンテンツに対して手を出しにくくなると思いますよね。むしろ局地的に、例えば、卓球のチャンネルで卓球がとことん好きなファンに届くように効率良くピンポイントに的を絞っていく。そうすることで、ファンがどうやって卓球を見ているのか、スタジアムではなく卓球TVを見ているのか、などと分かってきます。

白川:そうだよね。砂漠に水を巻くようなスポンサーシップの形態から、これだけコンテンツが分散化してきて、インフラがデジタルの方に進んでいくと、誰にどんなリアクションがあったのかを可視化できるよね。

だから、広告代理店のビジネスモデルと民放の世界は、これから厳しいんじゃないかな。

渡邉:そう思います。テレビ朝日がW杯予選アウェーの試合の放送権を手放したのが分かるくらい、顕著に出ていますよね。

白川:タイムで30秒幾らとかさ、そんなの何それっていう話じゃない。

渡邉:DAZNは最たる例ですけれど、見たい人はDAZNで見るので、民放で見る必要はない。なぜかと言うと、コメンテーターも薄くて軽くてCMに入っちゃう。だったら、「中村憲剛の解説でDAZNを見た方が良いじゃないか!」と、日本代表などのコアなファンがそちらに流れるんですよね。そういう意味で、日本のテレビ業界はスポーツにおいては厳しいと思いますね。

白川:広告代理店が作ったビジネスモデル、テレビありきの大きなスポンサーシップのパッケージがあって、それが今では見透かされている。お金を出す方は「そういう時代じゃないでしょ!」と分かっているとは言いつつも、メディアは旧態依然として変わらない。スポンサーの思惑と、スポンサードしてほしいコンテンツ側と、間に入る人たちが、非常にチグハグだよね。

広告代理店が日本のスポーツを商業化して、物凄い功績がある一方で、変わっていかなければならない局面の中で。

渡邉:変わっていないですからね。

白川:存在としてデカ過ぎるんだよね。

スポンサーとは

渡邉:アディダスは、2002年の時の存在が凄かったですよね。

白川:そうだったよね。それこそ自国開催にW杯なんて前例がなかったからね。

渡邉:皆アディダスのユニフォームを着ていましたね。

白川:W杯によって、ジャージを着てサッカーを観る文化が何となくできたよね。

渡邉:あの時の良いレガシーをイメージしていたアシックスが、赤っぽいシャツを着て「チームレッドで応援するんだ!」とファミリーマートを上手くチャネルで使ったけど、理想の結果には至らなかったですよね。

白川:デザイン的には凄く面白くて良かったけど、痛々しかったよね。

渡邉:アシックスのN君は、先日泣いていましたよ。

白川:大変そうだったもんな。

スポンサーシップということに話を戻すと、スポンサーをすることのメリットって色々あって良いと思うけど、五輪憲章で掲げた大義名分みたいなものを「文化として社会を作る」という発想を持つスポンサーがどれだけいるのかな。五輪組織委員会と行政が取り組んでいかないと、D &Iって言ったって日本人には何だか分からないんだから。昨年、外国人観光客が日本に来れなかったという弊害があるけれど、スポンサーとして進化するために、もう少し文化として加速できたと思うよね。

渡邉:何のために。パーパスですよね。

白川:その通りで、パーパスが変わってきているんだよね。「露出です。」「認知です。」というのは何十年前の話。

渡邉:それだと1.0ですね。今4.0を目指すのであれば、社会との共存ですよね。

白川:そうだよね。その上でスポーツがもたらす義務とか新しい価値って何なんだというところで、エンゲージメントを高めていった時にどういった楽しいライフスタイルがあるのかを作って見せていかないと難しいよね。

渡邉:そこはスポンサーしかプログラムを作ることができないので、チャンスですよね。

ビッグボス

白川:ビッグボス(北海道日本ハムファイターズ新庄剛志監督)は凄い人だし、期待しちゃうよね。

渡邉:センセーショナルですよね。

白川:1人のキャラクターで好き勝手なことを言っている訳でもなく、物凄く考えてマスコミの前で発信しているじゃない。野球界に貢献できることや、「野球界がこう変わらなければならない!」ということを分かって、ああいうキャラを演じているからね。ビックボスこそがクリエイターという感じがするし、彼のような人たちをもっと活用できると良いよね。

渡邉:沖縄で飛行機から降りた時に、新庄さんが選手時代に使用してきたグローヴ50個を再生して作ったジャケットを着ていたんですよ。あれこそサステナビリティなんですよね。社会の意義まで発信しちゃっているみたいな。ゴミにしないで洋服にしてしまうのが凄いですよね。これからの社会に必要な発信方法って、そういうことなんだと思います。1番SDGsをポジティブな意味で語っているんじゃないですか。ジャケットを着ているけど、「暑いから脱ぎます。」というところがカワイイですよね。

白川:ちゃんとメッセージ性があるからね。入団記者会見でも「優勝は狙いません。」と言っていたし、あんな人はどこの球団にもいないよね。彼を見ていると興味が湧くし、選手は得体の知れない緊張感が走っているかもね。

渡邉:新たな1つのリーダシップ像ですよね。彼のような監督がもっと出てくると良いですよね。

白川:サッカーも競技人口が減っているよね。少子化でコンテンツが増えているし、スポーツをやるにしても水泳やフィギア、スケボーとなってきている訳でしょ。まあ、スポーツ界全体で言ったら良いことなんだけどね。だけど、国家スポーツみたいな拠り所も欲しいよね。

渡邉:確かに。分散化となっていますからね。

ファンを分析

白川:カズは本当に凄い人だよ!日本のスポーツのありとあらゆる歴史を見てきた人は、そんなにいないからさ。俺の周りでは、サッカーの世界だけに身を置いている人はいるけど。

渡邉:僕はお金の流れを全部見てきました。まず代理店に流れてから、次にFIFA、また代理店に戻ってからメディアにも流れて、その後に払う側に行きますからね。どうすれば効果的にスポーツマーケティングとスポンサーシップをできるのかを、この25年間学んでいます。結局は、どうやってファンとエンゲージするかということに行き着くんですよね。それで、世の中がこれだけ変わっている中で、ファンは何を考えているのかをとことん分析して、そこに刺さるものをスポーツを通じて企業メッセージを届けるかに尽きると思います。

白川:でもこの話って、スポーツ界の話だけでなく、エンターテイメント界にも繋がってくるよね。例えば、日本のアーティストで言えば多くのファンがBTSに流れたり、今までなかったことがコロナによって変わってきているよね。

渡邉:そうですよね。

白川:スマホがワールドワイドフリーだからさ。子供たちの情報はテレビだけでなく、あらゆるものなわけで。BTSと日本の芸能界の違いは一目瞭然であったり、そこに立ち向かっていかなければならない日本の産業界全体の課題でもあるよね。

渡邉:この前聞いてビックリしたことがありました。アニメの東京リベンジャーズがフランスで凄く人気なんですよね。日本人がスマホで韓国のBTSの情報を見て好きになっていく一方で、逆に海外も日本のアニメコンテンツなどに着目してくれてバズっているというのは、日本を発信することに関して喜ばしいと思いますね。それだけ、世の中が携帯電話1つで繋がっているということですよね。

白川:本当にそうだよね。

渡邉:結局、良いものは世界的にすぐ広まっていくという気付きですよね。

白川:確かに、グローバル化とか言っていることが時代遅れなんだよね。そういう意味ではサッカーは世界的なスタンダードであるからね。子供たちが小さい頃からヨーロッパサッカーを見ていて、目指すところがJリーグではなく「海外に行きたい」と、ヒエラルキーとしてはよくできているよね。

人を信用してナンボ

白川:カズ、今後どうするのかな?

渡邉:今、色々な方々にお会いしていて、お誘いもあり「どうしようかな?」と考えています。多分、3月頃から働きます。嫁さんの目も怖いですからね(笑)。

白川:ひゃははは。

渡邉:あははは。それまでは一生懸命、奥さん孝行をします。ゴルフをして帰ってきてから食器を洗って、お風呂洗ってー、あはははは。

白川:そうそうそう(笑)。

渡邉:世の中の変化にいかに敏感に動いて、世の中が求めているものをコンテンツを使って到達させることが、そもそもの入り口ですからね。それを考えていると、聖火リレーも、コロナ禍で中止になった時に瞬間的に考えて、喜ぶものを提供していくことが1つ原点にもなっています。2002年に白川さんと一緒にやっていた消費者の求めるものが、デバイスに応じて変わってきたのがスポーツのスポンサーシップでもありますからね。

白川:それをリアルな現場でやっていたから、大したもんだよ。真面目な話、チームメンバーにノイローゼになった人もいるでしょ?

渡邉:僕は新庄さんほどではなかったんですが、コカ・コーラではのらりくらりの校長みたいな立ち位置だったんですよ。

白川:うふふ。

渡邉:何かあれば駆り出される現場のリーダーでした。

白川:東京五輪では日本全国で106人のメンバーを引き連れていたので、怖かったですよね。1人でもコロナになっちゃうと、周りのメンバー30人が濃厚接触で移動できなくなって、彼らを置いて次の県に移動しなければならない、というシナリオを全部組んでいましたから。

白川:怖いね。

渡邉:毎日、800人(五輪組織委員会、トヨタ、NTT、日本生命、コカ・コーラ)が県移動をしていたんですよ。最終的には1番ルールが緩かったウチだけが誰もコロナにかからなかったんですよね。運ですよ(笑)。

白川:まあ、運だけじゃないよね。一定のことをちゃんとやっただろうし。

渡邉:ウチ以外は皆、厳格だったんですよね。1日20km歩いてヘロヘロで帰って来て、疲れていて地元料理を食べに行きたいけど、ホテルに直行でロビーに置いてある弁当を食べて、その後は外出禁止。縛られているので、門限がある女子高生と同じで、2階の窓から抜け出すみたいな心理が働くじゃないですか。そういうのが溜まりに溜まって結果感染しちゃう等・・・


一方、ウチは「いいよ。行けよ。お前らを信用しているからな。羽目を外してもいいけど、とにかく菌だけは絶対に持ってくるな。信用しているから。」とすると、意外と皆きっちり守ってくれて、誰も感染しなかったんですよね。


白川:結局、管理をしている側がやっているつもりで、スポーツと同じで自主性がなければ意味ないからね。

渡邉:日本はマニュアル社会ですよね。マニュアルがないと何もできないみたいな。

白川:でも、カズはそれを切り抜けたので凄いよね。プロジェクトチームの信頼関係の作り方や同じ目標へ向かうための足並みの揃え方は、経験できたからこそ次に活かすことができるよね。

渡邉:自主性を促す。人を信用してナンボですよね。

白川:岡田武史さんが横浜F・マリノスがJ1リーグをステージ3連覇した監督の時に、アディダスの講演で話してくれた言葉だけは忘れられないんだよね。

「選手がグランドの周りを走る時に、内側を走って楽をするのが普通なんだけど、全員がいつの間に自主的に外側を走っているのを見た時に、このチームが勝てるのを確信した。」

要するに、監督が一々指図をしなくても自主的に目標を成し遂げる集団になったことが、奥深いと思ったんだよね。カズの話も、まさにそういうことでしょ。

渡邉:そうですね。

白川:大人の世界でも、プロのリーダーと同じ目標に向かう自主的なメンバーがいることが、大切だと思うよね。素晴らしい。

渡邉:良いメンバーに恵まれましたね。

白川:チームが解散しても仲間として続くのが良いよね。スポーツがもたらす輪を感じるね。運営側のエンゲージメントがあれば、失敗しても達成感があるからね。

カズの次の一歩に期待しているね。

カズは、日本のスポーツの変遷を生身で全部見て感じて来たからね。次のステージでも新たな旋風を巻き起こす活動をしてほしいよね。

渡邉:御社と何かご一緒できますように。

白川:ウチはもう粛々と頑張っていますけど、新しい文化を作っていきたいよね。この2年はコロナがあってあまり一歩踏み出せなかったけど、今年は幾つか新しい事業を立ち上げようとしています。

インフラが整っているので、無限の可能性を感じるよね。消費形態も変わってきているし、ナイキとアディダスの2大巨頭以下同文ではなく、色々なチャンスがあるよね。

渡邉:ありがとうございます。「今まで自分が描いてきた絵をそろそろ動かしたい。」と思っていて、個人でやるとなるとパワーと資金もないので、次は上流的に動かせる所に行くというヴィジョンを持っています。

まず、再び会社の社員として経験を積む予定です。また、今回の白川さんとの対談のようなことも学生に伝えていきたいですね。

白川:僕もこれからを担う学生たちに伝えていきたいし、実践の場を経験してきた人たちの声も聞いてほしい。また逆に、学生からも色々なことを吸収して刺激を受けていきたいよね。そこから新たに面白いことも生まれることもあるからね。

渡邉:学生たちと話しているとマインドが活性化されますし、ブッタの言葉を聞いているかのように気付きが多いですよね。

白川:新たに出てくる価値に、大人がアジャストしていく必要があると思っているので、日本の縦社会を変えていきたいよね。けっこう大事なマーケティングの作業だと思うよ。

渡邉:もし機会を与えていただけるようでしたら、ご一緒にお願いします。

白川:ぜひぜひ。企業を相手に、スポーツを通じてアドバイザー的な立ち位置で何か授業化もできそうだよね。

渡邉:白川ファミリーに招いていただけるようでしたら。

白川:その前に、まずはゴルフに行こうね(笑)。

渡邉:ぜひお願いします。  【了】