スポーツビジネスの可能性を語る「スポーツには熱狂があり、人を動かす力がある」

記事公開日:2019/10/08
記事更新日:2020/05/25

『スポーツを通じて、輝ける未来を創造する』を理念とする、株式会社F(エフ)代表取締役の白川創一が、スポーツメディアで編集長を務めるなど、幅広い活躍をみせる岩本義弘氏をゲストに迎え、スポーツビジネスの今、未来のあり方など自由に語りあいます。

日本のスポーツビジネスの最先端を歩み続ける2人のFトークお楽しみください。

#1 Fトークゲスト
岩本義弘氏 プロフィール

1972年7月24日生まれ。
東京都町田市出身。
株式会社TSUBASA代表取締役として、『キャプテン翼』のライツ業務全般を担当。サッカー解説者やスポーツジャーナリストとしても活動しており、オールスポーツメディア『REAL SPORTS』編集長を務める他、Yahoo!JAPAN「みんなの2020」では東京2020を担当。Jリーグを目指すサッカークラブ「南葛SC」のGMでもある。前職は株式会社フロムワン代表取締役兼サッカーキング統括編集長。

―2人の出会いを振り返る

白川:岩本さん、2005年に『ワールドサッカーキング』が創刊してからの付き合いとなりますね。

岩本:あれからもう14年も経つのですね。いきなりですが、白川さん、なぜスポーツメーカーを退職して起業をしたんですか?他のメーカーにいくことは考えなかったんですか?

白川:メーカーに18年間勤務して、多くの業務をやってきました。退職後に色々な選択肢がありましたが、これまで培ってきたものを自由に発想してみたくなったんですよね。これから先の日本市場を考えてみると、スポーツが経済の重要な位置にきて、非常に面白いチャンスがあると思っています。

岩本さんも、これまで色々やってきていますね。

岩本:そうですね。僕は、1998年のサッカーフランスW杯の直後に株式会社フロムワンに転職しました。イタリア・セリエA専門誌創刊の担当に決まった直後に、中田英寿さんがセリエAペルージャへの移籍が決まったので、あの時は驚きましたよね(笑)。

フロムワンでは2001年に編集長になって、その後に専務を5年以上、代表取締役社長を5年やりました。

白川:また、経営者となると、編集の現場と見え方が違いますよね。

岩本:経営者となりましたが、現場にも出続けましたからね。なぜかと言うと、現場でしか分からないことがあり、現場にいるからこそ繋がることができる人もいたからなんですよね。僕はサッカーメディア業界では後進の雑誌の編集長だったので、他の媒体との違いを出さなければならないと考えていました。それで、取引先にヒアリングをして関係を築くことが凄く大切であると分かったんですよね。僕の売りは、編集長なのに営業もガッツリやる、ということだと思っています。

白川:編集長も、仕事を獲得することが大事ですからね。メーカーから離れているからこそ、よく分かります。お客さんの一歩先を提案できる営業センスがあるクリエイターさんは少ないですし、岩本さんは非常に優秀だと思います。

岩本:ありがとうございます。僕のように動く人は、スポーツ誌ではほとんどいないのが実情ですが。編集長であれば誰にでも会うことができるのが最大のメリットなので、なかなか編集長はやめられないというわけで、今はスポーツメディア「REAL SPORTS」で編集長をやっています。

―企業のスポーツへの投資について

白川:バブル前後の日本では、プロスポーツはプロ野球と相撲くらいで、企業の福利厚生の一環としてスポーツがありましたが、バブルの崩壊によって廃部に追い込まれるチームが増えました。ですが、今では来年の東京五輪に向けて、企業のスポーツへの理解が変わってきていると思います。

岩本:確かに、それはあります。スポーツに投資ができる企業は、経営にある意味余裕がありますからね。スポーツには熱狂があり、人を動かす力があるので、一流企業はスポーツにお金を使うのだと思います。

最近、お金を稼いだらスポーツにお金を使うという流れができてきていますよね。例えば、メルカリが鹿島アントラーズを買収し、楽天はバルセロナの胸スポンサーとなり、さらにヴィッセル神戸や東北楽天イーグルスにもお金を使います。企業はスポーツにお金を使うことで、価値が上がると確信しているんですよね。

白川:そうですよね。また、エンターテイメントとしてのスポーツの価値も凄く上がってきています。

岩本:なぜなら、スポーツは予定調和で作られるものではなく、その瞬間でしか味わうことができないものですからね。

白川:確かに。でも国内だけを見ると、企業がスポーツを上手く利用していくという流れは、まだまだ少ないと思います。ただスポンサーとして投資をすればよい、という時代でもないですからね。

岩本:企業は、ビジネスとして大きな利益が出ることを目指してはいないと思います。スポーツに投資をし、スポーツクラブを運営していることが、企業としての名誉でありステータスになっているんですよね。トヨタが名古屋グランパスを運営していますが、トヨタ全体の売り上げと比較をすると小規模です。クラブ運営は凄く手間がかかりますし、チームが降格すればネガティブイメージにもなりますからね。

白川:大きな意味で社会貢献があるからこそ、企業としても色々な視点から発展できるチャンスなので、経済効果も加速するでしょう。プロ野球とJリーグがあって、Bリーグがスタートして、マラソンでも高額賞金の大会もあります。ラグビーWCでの日本の躍進など
子供たちにとって色々な選択肢が増えているので、東京五輪に向けて大きな可能性を感じています。

―Jリーグを目指すクラブ運営について

白川:岩本さんのキャリアで面白いのは、南葛SCというJリーグを目指すクラブの経営に携わっていることですね。

岩本:正直、こんなに早い時期から関わるとは思っていなかったんですよね。

白川:元々、クラブ運営をやりたかったんですか?

岩本:いつかは、Jリーグのクラブ経営に関わりたいとは思っていました。

白川:僕の昔の夢がクラブのオーナーですし、岩本さんのようにチャレンジする姿は本当にカッコイイと思います。

岩本:昨年から、南葛の運営を『キャプテン翼』の漫画家である高橋陽一先生と二人三脚でスタートしました。なかなか一筋縄ではいかないですが、夢はありますよね。来年、『キャプテン翼』が40周年を迎えます。10年後であれば、南葛がJリーグにいる可能性は高いと思っています。『キャプテン翼』は世界最大の人気スポーツであるサッカーを題材とした作品ですし、世界を見渡しても、ここまで知られているスポーツの漫画&アニメコンテンツはないですからね。

白川:多くのサッカー少年達が見ていたバーチャルの世界で、夢であった『キャプテン翼』が、数十年経ってこうやってリアルの世界になるというのは、スポーツ界の過去と未来を見ても無いストーリーですよ。

ただ単に夢が実現するということではなく、おとぎ話が現実化されたというのは信じられないことで、本当の意味で夢を見る大切さや、その力を感じますね。

岩本さんのサッカーに対する愛と先見性を本当にリスペクトしています。日本のスポーツシーンの中で、大切に育てていきたいストーリーですからね。そして、南葛SCがクラブワールドカップで優勝する日が来たら大変ですよ。。。

最後に、、、

白川:岩本さんのプロの編集者、経営者としての鋭い着眼点や、スポーツに対する揺るぎない情熱は、誰も凌駕できないと思います。そんな素晴らしい仲間とスタートしたばかりの株式会社Fで、一緒に新しいスポーツカルチャーを開発していければと思います。これからも宜しくお願いします。

岩本:はい、面白いこと是非一緒にやっていきましょう!